ひだまりと指先

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別館サイトにてDestiny2‬*お題小説④をアップしました!+ブログにもアップ

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にてDestiny2‬*お題小説④をアップしました!またはてなブログでもアップしようと思います。今回はケイドさんが主役の話。コスモスさんは水星に行ったり、色んな星を巡ったりしてるのでシティに中々帰ってこない…というお話です。

 

 

一一まさか、本当にガウルを倒すとは思ってなかったなぁ。
ケイドは柱に凭れながら、物思いにふけっていた。

コスモスが、ガウルを倒し、シティを取り戻してから一ヶ月が過ぎた。彼女は今水星に行っている。どうやら、イこらが発見したゴーストの調査とオシリスの事を調べに行っているらしかった。

(英雄様は忙しいねぇ…)

最近のコスモスは、以前にもまして忙しそうだった。会話らしい会話と言えば、ガウルを倒した記念として剣を渡した時以来かも知れない。
そっと息を吐き出した。奥地でした《約束》をコスモスは覚えているだろうか?いや、真面目な彼女のことだ。中々自分と話せる機会が持てない事を申し訳なく思っているかも知れない。

(多分…後者だろうなぁ……ま。いいか。あいつのために、色々とやりたいこともあったし…そろそろ行くか…)

心の中で独り言のように呟くとケイドは歩き出した。目的地は…イコラの所だった。

***

「花を調べたい?」

イコラはケイドの言葉に眉間に眉を寄せた。賢く聡明な彼女にとっては理解しがたいだろう。

「そうなんだ。花の名前は…あー…その、色々あって、言えない。アイツとの約束を破ることになるからな」
「……なるほど。貴方にとって大切な人に関わることなのね?」
「さすが!イコラ!頭の回転が早くて助かる!」
「…花というのは珍しいものだった。恐らく…この本に黄金時代の古い花々が載っているはずよ」

ケイドの説明に、イコラは疑問に思いつつも引き出しを開け、古びた本を取り出した。
ケイドは一つ頷き、イコラから本を受け取ろうとしたが、上へと上げられてしまった。

「お、おい!イコラ!」
「花の意味を調べたら、貴方の大切な人に伝えてほしい。私も…黄金時代に咲いていた花には興味があるの」
「…お、おう…多分、アイツ次第だと思うけどな…伝えておくよ」
「よろしくね」

イコラは微笑すると、ケイドに本を渡した。本を受け取った瞬間ケイドは颯爽と、イコラに手を振ってバザーを後にしたのであった。

***


ハンガーに戻ったケイドは、早速本を開いてみた。本には文字がうっすらと書かれていて、中には読めないものもあった。

「《コーレア》?…違うな……《コリウス》?
これも違う…《コデマリ》?いやいや…違うなぁ…うーーん…中々見付からないもんだ…」
《……》

相棒のゴーストは、ケイドの見ている本とケイドとを見比べると《コスモス》を一緒に探し始めた。ケイドはゴーストの行動に、微笑むと彼女の頭を指先で撫でた。

「ありがとよ。相棒。お前さんはホントに頼もしい奴だ」
《!!》
「ん?どうした?」
《……!!》

ゴーストはケイドの元から少し離れると、本の頁の最後をつついた。センサーで検知したのだろう。相棒の言ったことを信じて、最後のページを捲ってみると一一桃色の花があった。

「……これが…《コスモス》か?相棒?」
《………》

ゴーストの目が瞬き、深く頷いた。桃色の花の下の文字は、消えかけていて全く読めなかった。
もし、相棒が協力してくれなかったら、自分は一生気付けなかったかも知れない。

「さすが…!俺の相棒だ!ハグするか!」
《!!》
「ああ、悪い悪い…そうだな。俺にハグされたら、お前じゃ耐えられないよなぁ」

ケイドはゴーストにフラれた事にショックを受けつつも、もう一度《コスモス》の花を見つめると、そっと撫でた。

「よし。目的の一つは果たせた。あとは…アマンダに協力してもらって、《アレ》を作ったら完璧だな」
《?》
「《アレ》って何だって?おいおい…野暮な事を聞くなよ。相棒。
すぐに分かるさ。アイツが水星での任務を終えて、一息ついたら…話そうと思ってる」
《………》
「楽しみは、あとにとっておいた方がいいだろ?じゃ、アマンダの所に行くぞ」
《!》


ケイドの言葉にゴーストは深く頷いた。

その後一一アマンダにもイコラと同じように説明した。勘のいい彼女は、ケイドが何をしようとしているのかを察して、喜んで協力してくれた。


シティでケイドが密かに動いていることを、水星や色々な星で任務をしているコスモスは知るはずもなかったのであった。

END